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今橋 強
非破壊検査, 46(11), p.788 - 791, 1997/11
近年、大型の研究用原子炉(JRR-3M,20MW)及び材料試験炉(JMTR,50MW)の稼動とともに、中性子照射による放射線透過試験用の各種線源が開発され、1968年には国内で初めて航空機ジェットエンジンの非破壊検査にIr-192線源が利用された。本報告では、これまで原研で開発した放射線透過試験用の主な線源の製造法について述べるとともに、最近開発した低エネルギー線を放出するYb-169線源、さらに、欧米で利用が開始された低エネルギーX・線源のGd-153及びSe-75線源の製造法など今後放射線透過試験用としてその利用が期待される線源についても述べる。
山林 尚道
非破壊検査, 46(11), P. 783, 1997/00
1910年にはX線透過写真撮影法で非破壊検査が始まったが、可搬型線源の利用は研究用原子炉が稼動し、CoやCsの線源が容易に入手できるようになった1960年代からである。国内では原研が1965年からJRR-2照射でIr線源(370GBq/個、2mm2mmL)を生産したことに始まり、現在ではJMTR、JRR-3M照射で年6回1,700個以上の線源を供給している。新しい低エネルギー線源Ybの供給は1995年からであり、現在はSe-75、Gd-153線源の開発が行われている。一方、線照射装置はIr用726台、Co用209台、その他55台で990台が普及している。今後線源による非破壊検査は材質、形状に最適な線源の選択と適用範囲のの拡大、装置の小型・軽量化、管理区域の縮小による作業環境の改善、フィルム・IPによる解析技術の高度化などが期待される。さらに欠陥診断から材料の経年変化を観察し寿命予測を可能とする探究が望まれる。